竹細工

竹細工職人の中には、竹を磨いてツヤを出す際、磨き砂として火山灰を使用する方もいます。 小木半島の城山周辺では、白い泥が見られます。泥には火山灰が含まれており、火山灰の中にはとても細かい火山ガラスが見られます。この火山ガラスが、研磨剤の役割を果たしています。 竹細工を作る以外にも、家庭で鍋のコゲを取る際などにもこの火山灰が使用されていたそうです。

かやぶきの一般家庭に使用されていた竹を用います。磨き砂で磨くことにより、ざらつきやすすが取れ、美しい縄模様が見られます。
手触りもやわらかくなります。

磨き砂をひとつかみし、竹をこするように磨きます。

磨き砂を使って磨く前(右)と後(左)の竹。
磨いた後の竹はすすが取れ、全体的に色が明るくなっていることがわかります。

使用している磨き砂(火山灰)。やや灰色がかっており、手触りはさらさらとしています。

磨き砂を顕微鏡で観察すると、角のとがった小さな火山ガラスがたくさん含まれていることがわかります。
このガラスが、研磨剤の役割を果たしています。

小木半島は海底火山でできた大地が繰り返す地震によって持ち上がってできました。
この火山灰は、大昔、海底火山の活動があった頃に噴出したものと思われます。

レポート投稿者

市橋弥生

佐渡ジオパーク学芸員
市橋 弥生(ICHIHASHI YAYOI)

佐渡生まれ佐渡育ち。新潟大学で地学を学び、2011年より佐渡ジオパークの専門員となる。趣味はカメラ。

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