地形と自然環境

佐渡は日本海最大の島であり、鉱山がある唯一の島です。大佐渡山地と小佐渡山地が北東〜南西方向に伸び、2つの山地の間に穀倉地帯である国中平野が広がっています。

大佐渡の北側には佐渡海嶺が、西側には富山舟状海盆があります。糸魚川〜静岡構造線から佐渡島の西を通り北海道の奥尻島付近に伸びる地域は、日本海東縁帯と呼ばれ、地震が多い地域としても知られています。

海流(対馬暖流)の影響で、夏は本土よりも涼しく冬は暖かい佐渡。恵まれた自然環境のため、多種多様な植物や海生生物をみることができます。島内の大部分は国定公園や県立自然公園に指定されており、山中には日本最大の高原湿原性浮島をもつ神秘的な池も存在しています。

ジオパークとしての佐渡島

佐渡島のなりたち

佐渡は日本海側で最も大きな離島です。しかし、昔からずっと現在の位置にあったわけではありません。佐渡をつくっている大地は、長い旅をしてきた大陸のカケラなのです。

佐渡のなりたちは、大きく4段階に分けることができます。

第1ステージ 太古の時代(3~1億年前)

最初、今の日本列島や佐渡は影も形もありませんでした。そこから佐渡の土台となる岩石が形成されていく始まりの時代です。

第2ステージ 大陸の時代(3500~1700万年前)

大陸が割れはじめ、激しい火山活動が起こりました。佐渡を作る岩石の90%がこの時代にできた火山の石であり、この頃に「佐渡島の金山」となる金銀鉱脈も作られました。

第3ステージ 海の時代(1700~300万年前)

大陸の一部が切り離され、日本海が誕生しました。その後も日本海は拡大と深化を続け、切り離された陸地(島)は、海面に沈んでしまいました。 この時、一部では激しい海底火山活動が起こりました。

第4ステージ 島の時代(300万年前~現在)

海面下(深海)にあった島は徐々に隆起していき、ついには海上に現れ佐渡島が誕生しました。その後も隆起は続き、様々な過程を経て現在の佐渡島が形成されました。

佐渡ジオパーク

島の中央に平野を持つ、特徴的な島の形は、とても長い年月をかけてつくられました。
平野部分には水田が広がり、トキをはじめとする、多くの生き物を育む場となっています。

大昔の火山活動によってもたらされた岩石は島の土台をつくり、かつて日本一をほこった金銀鉱床ももたらしました。

私達の暮らしや佐渡に生きる動植物と大地には、深い関わりがあります。
人の暮らしと繋がる大地の物語を楽しむことができる場所、それが佐渡ジオパークです。

佐渡ジオパークの境界線

佐渡島の海岸線がジオパークエリアの境界線(次の地図に赤で示した線)です。
その境界線の内側が佐渡ジオパークのエリアであり、佐渡ジオパークのエリアは、佐渡市の市域と一致しています。

ロゴマークに秘められた想い

佐渡ジオパークのロゴマークには、それぞれの色と形に意味があります。赤色は佐渡市の鳥でもあるトキを、黄色は佐渡の花と金銀を、緑色は佐渡の自然を、そして青色は佐渡の海の色、その形は伝統芸能でもある鬼太鼓の巴を意味し、大地・自然・生きもの・文化すべてが佐渡ジオパークの要素であることを示しています。

赤
黃
緑
青

そもそもジオパークって?

ジオパークという言葉は、ジオ(地球・大地)とパーク(公園)を合体させた造語です。豊かな自然を保全・保護し地域資源として活用することが求められています。自然を愛し、学習・教育に活かし、観光客を受け入れ、持続可能な地域の活性化を図る取組をジオパークでは続けていきます。

国内には日本ジオパーク委員会(JGC)が認定した日本ジオパークが、世界にはユネスコが認定したユネスコ世界ジオパークがあります。ジオパークに認定された地域は、4年ごとの再審査によって適性や活動歴が定期的にチェックされ、活動の維持と向上が求められます。

国内でユネスコ世界ジオパークに認定されているのは、糸魚川(新潟県)、洞爺湖有珠山(北海道)などの10地域、日本ジオパークに認定されているのは佐渡を含めて46地域です(令和5年5月現在)。その他、ジオパークの取組を始めたり、認定を目指したりしている地域を含めると国内では53の地域があります。

詳しくは日本ジオパークネットワークのウェブサイトをご覧ください。

平成25年秋に日本ジオパークに認定された佐渡はいま、多様な取組を続けています。

島内の国定公園、天然記念物など

国定公園 佐渡弥彦米山国定公園(1950年)
国指定天然記念物 国指定名勝 佐渡小木海岸(1934年)
国指定名勝 佐渡海府海岸(1934年)
国指定天然記念物 平根崎波食甌穴群(1940年)、小木・御所サクラ(1928年)など
国指定史跡 佐渡金銀山遺跡(2011年名称変更)など
国指定特別天然記念物 トキ(1952年)
日本地質百選 佐渡金山(2007年)、佐渡小木海岸(2007年)
県立自然公園 小佐渡県立自然公園(1959年)
県指定自然環境保全地域 上の平自然環境保全地域(1989年)
県指定天然記念物 乙和池の浮島及び植物群落(1963年)、杉池・広葉樹林(1965年)、佐渡鉱床の金鉱石(1958年)など
県指定天然記念物 県指定名勝 台ヶ鼻(1973年)
県指定史跡 新穂玉作遺跡(1952年)、鎮目市左衛門墓(1958年)、岩屋山石窟(1972年)など
市指定天然記念物 沢根貝立層(2004年)、関の鏡岩(2004年)
市指定名勝 市指定天然記念物 沢根崖(2004年)